昔の貨幣用語集

 貨幣用語辞典

即売会やネットオークションを見ていて「なにこれ」と思った用語、ありませんか?

 
収集家や貨幣商とのやり取りの際に、よく使われる用語集です。

コンディション編

未使用(UNC) [みしよう]紙幣なら折り目、汚れのないいわゆる「ピン札」の状態であること。硬貨なら、造幣局の包装から取り出したばかりの、傷や変色のない綺麗な状態であること。英語圏では、”Uncircurated”(未流通)の頭文字を取って「UNC」と省略表記される。
極美品(AU) [ごくびひん]上記の未使用には劣るものの、折り目・汚れ・傷等はほとんど見られず、美しい状態の紙幣・硬貨。英語圏では、"Almost Uncercurated"(ほとんど未流通)の頭文字を取って「AU」とか「AUNC」と表記される。
美品(VF) [びひん]今、あなたのお財布に入っている「普通の」お札とか硬貨の状態。流通したことによりくたびれているけれども、ひどく汚れたり破れたりしているわけではなく、鑑賞に耐えうるもの。英語圏では”Very Fine”を略して”VF”と呼んでいる。収集品として推奨できるのはここまで。
並品(F) [並品]製造時の面影が無くなるほど、破れたり、汚れたり、落書きされたり、傷がついたりした状態の紙幣・硬貨。余程の希少品ではない限り、安価であっても購入に値しない。
カドが丸い 一見、未使用に見える紙幣の四角がこすれていて、ごくわずかに丸みを帯びていること。取引価額引き下げの要因になる。
   
   
   

紙幣編

日本銀行 我が国の中央銀行。管理通貨制度の下、日本銀行券を発行する。
日本銀行 日本銀行が発行する不換紙幣。
日本銀行兌換券 かつて日本銀行が発行していた、額面金額と同額の金貨との交換が保証された紙幣。紙幣の信用力が今ほどなかった時代に、「必要とあればいつでも金貨と交換してあげますよ」ということを謳って発行された。手持ちの金地金に紙幣の発行量が縛られるため、次第に発行されなくなった。
日本銀行兌換銀券 かつて日本銀行が発行していた、額面金額と同額の銀貨との交換が保証された紙幣。
不換紙幣 「モノと交換できない」という意味ではなく、「中央銀行窓口での、金貨・銀貨への交換が保証されてない」の意味。日本銀行券もドルもユーロもみんな「不換紙幣」。各国中央銀行が、手持ちの金地金・銀地金に左右されること無く、自行の信用力と自国の経済情勢を見ながら不換紙幣を発行している。
記番号 お札に印字されている「JY811574Q」みたいな英数文字列。アルファベットの部分が「記号」で数字の所が「番号」である。同じ記番号の紙幣は一枚しか存在しない。詳細は公表されていないが、記番号を観察することでその紙幣が、いつ頃どの印刷工場で製造されたかが概ね判別できる、とされている。
記番号が一桁 戦後の日本銀行券において、記番号の左側のアルファベットが「Y811574Q」のように一つしか無いもの。新しい紙幣が発行された最初期に製造されたことを示し、アルファベット二桁のものより枚数が少ない。
AA券 記番号が一桁の日本銀行券の内、「A000001A」のように左右に一つづつAがついた銀行券のこと。最も最初期に製造された90万枚のうちの一枚であることを示すため、収集家に人気がある。
ゾロ目 番号部分が「111111」だったり「123456」「000001」のようにきれいな数字になっているもののこと。
総裁之印 日本銀行券表面に押されている印鑑。日本銀行総裁の印。
発券局長 日本銀行券裏面に押されている印鑑。日本銀行発券局長の印。
軍用手票 戦時中、他国の占領地にて、軍需物資を調達する際に使用された紙幣。自国の貨幣をそのまま使用すると問題が多いため、発行される。略して「軍票(ぐんぴょう)」とも。
朝鮮銀行 日韓併合により、朝鮮が我が国の一地域だった時代に発行されていた紙幣。朝鮮半島のみならず、一時は満州など大陸でも使用された。朝鮮が我が国の統治を離れた後も、南朝鮮においては韓国銀行券が発行されるまで流通した。
台湾銀行 日清戦争勝利により我が国の領土となった台湾で使用された紙幣。
ポリマー紙幣 プラスチックポリマー(ポリエチレン系合成樹脂)を紙の代わりに素材として製造された紙幣。高耐久性や気軽な動機による偽造防止に効果があるとされる。
マイクロ文字 極めて小さな文字のこと。紙幣の様々な箇所に配置されている。カラーコピーや家庭用プリンタでは、再現しづらいため偽造防止に効果がある。
発光インキ 蛍光剤を含み、紫外線(ブラックライト)を照射すると鮮やかに光りだす。カラーコピー・家庭用プリンタを使用した気軽な動機による偽造防止に効果。
セキュリティスレッド 印刷用紙に漉き込まれたテープ状の金属箔などのこと。地味な仕掛けだが、真券は透かせばスレッド部分が黒い影となって現れるが、コピーでは再現できない。
窓開きスレッド セキュリティスレッドの進化形で、スレッドが露出と潜伏のパターンを繰り返すものをいう。
ホログラム アルミなどの金属箔にレーザーを照射して模様を刻み、眺める角度によって模様が変化する仕掛けのこと。
発行 中央銀行の窓口から払い出され、通貨として流通すること。「発行日」はその最初の日のこと。

硬貨編

 

バイカラークラッド貨 2色の異なる金属を組み合わせた円形(模様が刻印される前の金属片)に打刻したのが、「バイカラー貨」。さらに、その2つとは異なる金属を挟んだ構造をしているので、「バイカラークラッド貨」と呼ばれる。我が国では、地方自治法施行60年記念500円貨が代表例。
洗い 経年劣化した硬貨の表面を、洗剤などで磨くこと。基本的に、歓迎されない。
プルーフ 一般の硬貨よりも、丁寧な加工と特殊処理によりきれいに仕上げた観賞用の貨幣。模様の浮き出方が鮮明で、通常の未使用とは明確に異なる。
プレミアム貨 材料の値段が、額面を上回る貨幣。たとえば、「1万円記念金貨」発行に際し、材料として2万円分の金を使用し、販売価格が3万6千円として発行された場合、「プレミアム貨幣」と呼ばれる。販売価格がいくらであろうと、通貨としては額面分でしか通用しないため、完全に収集家向けの「商品」である。現金化する場合は、金融機関ではなく貨幣商・ネットオークション等へ持ち込む必要がある。
カラーコイン 表面に特殊な技術でカラー印刷を施した硬貨。完全に観賞用の商品として発行される。
未発行 戦争、大規模災害などにより、実際に製造されたものの発行されなかった硬貨の事。通常は廃棄処分となるが、時折、後年になって収集市場に放出されるケースがある。
試作貨 文字通りプロトタイプのコイン。
発行 中央銀行の窓口から払い出され、通貨として流通すること。「発行日」はその最初の日のこと。